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テナントの敷金・保証金は返ってくる?「償却」の仕組みに注意

テナントの敷金・保証金は返ってくる?「償却」の仕組みに注意
—— 預けたお金が、全額戻ってくるとは限りません
テナントを探していると、
敷金6ヶ月
保証金10ヶ月
など、住居ではあまり見ない大きな金額が設定されていることがあります。
「退去したら戻ってくるお金だから大丈夫」
と思っている方もいますが、ここは注意が必要です。
テナント契約では、**敷金・保証金から一定額を差し引く「償却」**が設定されていることがあります。
契約時には、預ける金額だけでなく、最終的にいくら戻る契約なのかまで確認しておきましょう。
敷金・保証金とは?
敷金や保証金は、賃料の未払いや退去時の費用などに備えて、貸主へ預けるお金です。
例えば、
家賃20万円
保証金6ヶ月
なら、保証金だけで120万円です。
問題なく退去すれば返還されるのが基本ですが、契約内容によっては全額返還されない場合があります。
そこで確認したいのが**「償却」**です。
「償却2ヶ月」と書いてあったら?
例えば、
保証金120万円・償却2ヶ月分
という契約だったとします。
賃料が20万円なら、2ヶ月分の40万円が償却対象になるという考え方です。
つまり、単純計算で120万円すべてが返ってくる契約ではありません。
さらに、未払い賃料や契約上借主負担となる費用などがあれば、それらが精算される場合もあります。
※実際の精算方法は契約内容によって異なります。
「敷引き」「解約引き」などの表記にも注意
物件によって表現は異なります。
- 償却
- 敷引き
- 解約引き
- 保証金償却
などと記載されていることがあります。
名称だけで判断せず、
「退去時に返ってこない金額はいくらですか?」
と具体的に確認するのが一番分かりやすいです。
原状回復費用とは別なのか?
ここも非常に重要です。
「償却があるなら、その中に原状回復費用も含まれるだろう」
と決めつけてはいけません。
契約によっては、
保証金から償却
+
別途、原状回復費用
となる場合があります。
例えばスケルトン返しの契約なら、内装や設備の撤去費用が別途必要になる可能性があります。
契約前に、償却と原状回復費用がどういう関係になっているのかまで確認してください。
契約期間によって償却額が変わることも
テナント契約では、
「3年未満で解約した場合○%」
「5年以上なら○%」
など、契約期間によって償却条件が変わる場合もあります。
短期間で移転する可能性がある店舗なら、特に注意が必要です。
開業時には長く営業する予定でも、事業拡大や移転などで予定が変わることはあります。
途中解約した場合にどうなるかも確認しておきましょう。
「初期費用」ではなく「戻らない費用」を見る
物件を比較する時、
A物件:保証金100万円
B物件:保証金150万円
だけを見て、A物件の方が安いとは判断できません。
例えば、
A物件は50万円償却
B物件は全額返還
という条件なら、意味が変わります。
比較したいのは、
いくら預けるか
だけではなく、
最終的にいくら戻らない可能性があるか
です。
開業資金にも影響する
敷金・保証金は、開業時にまとまった資金が必要になります。
さらに、
- 内装工事
- 厨房・設備
- 看板
- 家具・什器
- 広告費
- 運転資金
なども必要です。
保証金に資金を使いすぎて、開業後の運転資金が不足しては意味がありません。
物件取得費だけで予算を使い切らないようにしてください。
契約前チェック
テナント契約前には最低限、
- 敷金・保証金はいくらか
- 償却はあるか
- 償却額・割合はいくらか
- いつ返還されるか
- 原状回復費用とは別か
- 短期解約で条件が変わるか
- その他に差し引かれる費用はあるか
を確認しましょう。
分からない場合は、**「退去した場合、どのような計算で返還されますか?」**と聞くと整理しやすくなります。
まとめ
テナントの敷金・保証金は、金額だけを見てはいけません。
重要なのは、
預ける金額
↓
償却される金額
↓
その他の精算
↓
最終的な返還額
まで把握することです。
特にテナントは預ける金額が大きくなりやすいため、条件を理解しないまま契約すると、退去時に
「こんなに戻ってこないとは思わなかった」
となる可能性があります。
契約する前に、入口のお金だけでなく、出口のお金まで確認する。
店舗を借りるうえで非常に重要なポイントです。





















